自分としては散々自由にやっていたはずなのに、その壁が出現した途端に自分の存在はとてつもなく小さなものに見えてしまう。井の中の蛙大海を知らず――自分は蛙じゃないと、いつから思い込んでいたのだろう。
レガリアの力を目の前にしたら、自分などそこらに咲いてる雑草でしかない。取るに足りない、駒の一つでしかないと思い知らされる。
最初は馬鹿にしていたが、すぐに潰されてしまい、結果的に服従することになってしまった。自分は決してレガリアを信頼しているわけではない。従わざるを得ないから、従っているだけである。自分達以外にも、強い人間がいるはずなのにどうして自分達を選んだのか――そのことについて、実力が認められたと解釈するほど能天気ではなかった。扱いやすいと思われたのだろう。腹立たしいにも程があるし、それに抗えない自分の弱さにも虫唾が走る。
それよりも、自分についてきているアルノの力に目を付けたのかもしれない。それはそれで、もっと癪に障る。実力は確かなので、そうあってもおかしくはないのだが、納得が出来ない自分がいる。認められない自分にもさらに倍でムカつくし、アルノを殴りたくなってくる。
しかし、同じような状況下に置かれてもレインは違った。虎視眈々と、何かを狙っているようだった。きっと、レガリアも分かっているはずだ。そのことすら、分からないのだろうか。自分とは違う人種に見えて、さっぱり理解出来なかった。諦めの悪いレインの姿を見ていると、こちらが恥ずかしくなってくる。そんなレインを見ると嫌味の一つや二つは言いたくなる。同じような雑草なのに、どうしてそこまでしてレガリアに反抗しようとするのか――どうしてここまで気になってくるのか。
きっと、自分では到底たどり着けない場所にまで到達しているからだろう。どんなに欲しても手に入らない、何事にも揺るがない精神、心。恐れを知らない、無敵だった頃の自分は過去にしかいない。レガリアに支配されて全てを失った日、自分の心はどこに置き忘れてしまったのだろう――誰にも縛られず生きていくと決めた日からどこまで遠ざかってしまったのか。過去を懐かしむことすら出来なかった。
もはや、自分の立っている場所すら分からない。レガリアに縛られてから忘れてしまったものを取り戻したい。鬱屈した世界が変わるというなら、どんなことだってしてやろうじゃないか。
陳腐な自分の世界をどうか変えて欲しい。自分ではどうにも出来ないから――アタシはとても弱いから。
たとえ、すべてが終わるとしても――