Après moi le déluge !

 くだらない、何もかもどうでもいいことばかり。楽しくない、面白くない。誰かの為とか馬鹿馬鹿しい。自己犠牲など反吐が出る。自分の為に生きていればいい。自分の人生は自分のもの。
 世界のことなど知らないし、他人がどうなろうと構わない。恥知らずで結構。
 どうすれば、自らの生きる世界が愉快になるか――自分の興味はそれだけだ。

「答えは一つ」

 凪いだ水面に石を投げれば、波紋が広がり水面は変化していく。運命というものも、些細なきっかけで変化していく。その様を見るのは非常に楽しい。

「巻き込まれたほうはたまらないだろうけど――私には関係無いし」

 少女は夜空に瞬く星を眺めそっと目を閉じた。ちょうど季節の変わり目になる場所で、風は少し冷たい。肌身にしみる夜風は心をどこかざわつかせる。暫く目を瞑っていたが、そっと開いていく。少女が空を見上げると一筋の光が流れていく。

「おや、流れ星が見られるとは……占いの結果もいい感じだし、そういうことよね。そうと決まればヴィオレットにでも行こうかな。頃合いだろうし」

 星の魔術師は静かに笑う。世界は滑稽で愉快になればなるほど良い。たとえ喜劇の先に世界が終わったとしても、最後まで笑っていたい――それが己の真実だ。